『俺と家族は巻き込まないでくれ』

と笑い混じりに言われたことを

まだ少し気にしています。

本当かどうかしらないけれど

お兄ちゃんの奥さんは恐妻で

いつでも出せるように離婚届を用意してあるとか。

私も女の恨みが怖いこと知ってるよ。


先週に比べるとだいぶ客観的というか

過去を過去として認識できるようになってきたような。


悔しかったのは

あんなに学生時代

『看護の子とは絶対付き合わない』

と毛嫌いしていたくせに

結婚したのはやっぱり看護師だったこと。

そしていわゆる病棟の看護師だったこと。

悔しいというより

許せない、のほうが感情的に近い。


正しい表現ではないかもしれないけど

お兄ちゃんのことはまだ好き。

あの笑顔が見たくて尽くし続けたあの頃。

そして尊敬すべき彼の志。

彼が前を進んで勉学に勤しんでいたから

私も追いつこうと必死になれた。

いつも私をリードしてくれる存在。

ときには私がリードして。

いい仲間だった。

その思いは今でもある。

 

追いかける存在を失ったこと

私の存在できた隙間が今はないこと

それが喪失感?

今も自分の気持ちがわからない。

ただ今の日常が私の人生であることに間違いは無い。

現実逃避したいだけなのかな。


今日お兄ちゃんと電話ができた。

束の間のこと。


いろいろ話して

思い出して。


途中でいろいろなことがフラッシュバックして

会話が途絶えることが多く。

そんな私を

『障害の資質がある』と言ってしまうあたり

グサリとくる。

自分でもそう思う。

そして私は『過適応』なのだそうだ。

言い当てられるだびに

もやもやっとした。


奥さんの話

子供の話

親の話

どれを聞いても私には遠い話。

ただお兄ちゃんの実家の犬がまだ生きていたことが嬉しく思えた。

何度も一緒に散歩して

尻尾を振ってくれた犬。

でもごめん、名前を忘れてしまったよ。

ぶち?


5年分の100分の1くらいは埋まったような。

ちっぽけな思い出話。

それでも今の私の暗闇にはしっかり光って見えたよ。

starry sky。


半分自殺手前の私のライフライン。

それが悪性のものだったとしても

きれいだと思える私はもう病気なんだろうね。


いっそのこと消えてなくなりたい。


きっとお兄ちゃんは

なんとも思っていなくて

きっとこんな私の様子なんて

『面倒くさい』ことでしかなくて。




ずっと今まで考えてきたことが

また復元されてきた。

今までの人生の後悔。




もうこれ以上は誰に相談したらいいのかわからない。

ここに吐き捨てるだけ。

忘れよう。

と思えば思うほど過去が蘇る。

こんな時みんなどうしてるんだろう。


ママに話してみたけれど

やっぱりすっきりしない。


仕事に集中しても

作業が途絶えると思い出す。

きっと職場環境的にも引き金になってる。

お兄ちゃんに雰囲気の似たDr.

お兄ちゃんと同じくらいの研修医あがりのDr.

つい連想。


旦那にふと質問してみた。

私にしかできなかったことって何?と。

返ってきた答えは期待と少し違って

また自分を見失った。



学生時代の仲間もそうだけど

お兄ちゃんの存在はやっぱり大きすぎた。



まだここを削除していなくてよかったと思う。

確かな過去を残しておいてよかった。


髪を切ったその日に失恋しました。


5年ぶりのその人は変わってなかった。

『頭よすぎて気を遣いすぎなんだろ』

とか知った風な口をきくのも。

『困ったことがあったら連絡しぃ』

と急に優しくなれるところも。


でも変わっていないのは言葉だけ。


私が結婚して子供がいるように

彼にも家族ができていた。


私がうつになっていた時に

彼も精神的に墜ちていた。

ママから聞いてはいたけれど

その時にはもう私は家族があったし

どう助けることも連絡をすることもできなかった。

ねぇ、そんなお兄ちゃんを助けてくれたのは

その人なの?

私には何もできないヒト。

苦しい。


確かに5年前2人の関係を変えたのは

私からだった。

いや、違う。

私は言わされた。

お兄ちゃんに言えと言われたから。

そんな過去も鮮明に覚えてる。

私はそれからずっと忘れられないのに。



別にいまさら彼とどうにかなんて考えてはいない。

ただあの頃の私を支えてくれていた彼を

救うことができたのは私ではなく違う人であった

そのことが悲しかった。


学生時代のケチだった彼が買ってくれた指輪を

今でも持ってる。

ぶっきらぼうな彼が書いてくれた手紙も。

私にとって彼がいたとこはかけがえのないものだから。

私には捨てることができなかった。

きっと見ると思い出すから見えないところに隠して。



この声が届けばいいのに。

もしもまたお兄ちゃんが困ったときは

きっと私が助けるから。